こんにちは。
これまでに牛革や山羊革などの革の種類や特徴を挙げてきましたが、今回は革をより使いやすくしたり魅力を引き出す加工や仕上げに焦点を当ててみたいと思います。
これを知っておくだけでも物の見方も変わり、買い物の楽しさが倍増しますよ。
【銀付き革(グレインレザー)】
革の表面の毛穴がある方を銀面、内側を床革と言い、銀面が持つ模様や質感などを活かした純粋な革を銀付き革と呼びます。
革本来の風合いを楽しめるのが魅力ですが、逆に言えば傷が無い部分を使わなければならないため、次に説明する床革と比べて高価になります。
【床革(スプリットレザー)】
革の表面層(銀面)を取り除いた内側の層で、銀付革と違い傷などを比較的気にせずに使えるので、安価で手に入りやすいのが特徴です。
ポリウレタンなどの樹脂でコーティングすることで強度や撥水性を上げて使われることが多いです。
【ヌメ革】
染色や塗装などをがされていない、植物の渋に含まれるタンニンで原皮を鞣した革です。
皺や血管など革本来のナチュラルな雰囲気を楽しめ、日焼けや手脂などが染み込むことで深い色や光沢感に経年変化するのが特徴です。
また、繊維が締まっているので非常に丈夫で長期間の使用にも耐えることが出来ます。
【オイルレザー】
タンニン鞣しを施す際、オイルを染み込ませて丈夫ながらしなやかに仕上げられた革です。
ヌメ革同様耐久性に優れ、使い込むことで経年変化を楽しめるのが特徴です。
時間をかけてたっぷりオイルを染み込ませるので手間暇はかかりますが、しっとりとした手触りと、艶やかな光沢が楽しめます。
【起毛革】
・スウェード
鞣した革の裏側を回転砥やサンドペーパーなどで起毛させた革です。
独特な風合いと光沢感が特徴で、堅牢度が高いが柔らかく様々な用途に使われます。
毛足が長いものをベロアと呼びます。
バックスキン(BACK SKIN)と混同されがちですが、正確にはBUCK SKIN(雄鹿の革)なので間違いです。
・ヌバック
スウェードと同じく革を毛羽立たせたものですが、裏側ではなく表の銀面を起毛させています。
毛足は短く滑らかな質感と上品な光沢感があり、銀面を加工しているので厚みもしっかりあるのでスウェードと比べて高級なアイテムに使用されます。
【揉み革】
革の銀面を手や機械を使って揉むことでシボ(皺)をつけた革です。
揉む方向で付き方が変わり、一方向でウィローグレイン(水シボ)、二方向でボックスグレイン(角シボ、角もみ)、多方向で八方もみや丸シボなど、様々な柄を楽しめます。
シュリンクレザーと比べてナチュラルな風合いに仕上がります。
【シュリンクレザー】
シュリンクレザーのシュリンクとは縮むという意味で、鞣す際に薬品に浸けて革の表面を収縮して独特なシボ感を出した革のことを呼びます。
シュリンクさせることで柔らかくなるとともに、革の傷や皺を目立たなくする効果もあります。
揉み革と比べるとシボが深めに入るため、よりシボの柄を楽しむことが出来ます。
【型押し(エンボスレザー)】
革の銀面に高温高圧のプレス機で凹凸をつけて、表面に立体的な表情を生み出す加工です。
簡単で短時間で仕上げられるので非常に効率が良く、大量に生産することが可能です。
また、本来の牛革シボだけでなく、ワニなどのエキゾチックレザーや様々な柄の型押しも可能で、近年ではその加工技術も上がり、天然ものと見分けがつかないものもあります。
【エナメル(パテントレザー)】
革の銀面にボイルアマニ油やワニス、ウレタン樹脂などを塗装し、乾燥を繰り返すことで光沢のある被膜を生み出す加工です。
革本来の味わいや表情は損なわれますが、革では得られない光沢感が魅力です。
コーティングすることで耐久性・耐水性にも優れています。
【ガラスレザー】
クロム鞣しの革をガラスやホーロー加工された板に張り付けて乾燥させ、表面を削って樹脂を吹き付けて光沢を出す加工です。
研磨と塗装により傷や汚れが目立たず、艶のある光沢感を楽しめます。
また、コーティングにより耐水性があり、傷や汚れも付きにくいのが特徴です。
【ブライドルレザー】
イギリスで千年以上前から続く伝統的な製法で作られた革で、主に馬具(ハーネス)に使われていました。
馬の力で強く引っ張られたり、雨の多い気候での使用に耐え抜くために、革に何度もロウを塗りこむことで繊維を引き締めて堅牢性と耐水性を高めた革です。
また、丈夫なだけでなく、使い込むことで高級感のある美しい艶が生まれ、経年変化も楽しめます。
以上、如何でしょうか?
ご自分が持っている革はどれに当てはまるか考えてみるのも楽しいですよ。
他に革の特徴をご紹介もしていますので是非ご覧になって下さいね ↓↓↓